ろきしの折り紙倉庫

主にオリジナルの折り紙の創作過程について書きます。

折り紙作品 フラミンゴ

創作: 2023/9

紙: ビオトープ 35×35 cm

構造、造形ともに無駄がなくて気に入っている作品です。写真の作品は糊付けなしでまとまっています。

 

折り紙サークルOristのオンライン活動の企画「15分創作」のお題がフラミンゴだった時に作ったものが原型です。↓

鶴の基本形を沈め折りしただけですが、これをベースに十分見栄えのする作品を作れそうな感じがしました。

しかし、このままでは各パーツを作りこむ余裕がありません。そこで、領域付加を考えます。

  • 首を伸ばし、頭を作りこみたい
  • 脚に水かきを作りたい
  • 閉じた翼、尾羽も造形したい

以上の条件を満たすように、下のような拡張を考えました。

対角線とフチに同時にヒダを追加しました。付加の幅は沈め折りの幅と合わせました。

こうすることで、以下のメリットがあります。

  • 首がだいぶ長くなる
  • 脚の長さはそのままで、水かきをつけることができる
  • 紙の中心部にヒダが追加され、翼を折るのに使える
  • 尾羽部分にヒダが追加される

また、単にフチにヒダを付け足すよりもちょっと面白みがあります。

領域付加は神谷哲史さんが解説しています。今回は「多重化」にあたります。

https://www.folders.jp/uc/2021/790/

早速折ってみます。

紙を捏ねくり回した結果、いい感じに情報量がまとまりました。意図せず脚の付け根の表現ができました。

首は長さに余裕があったので、かぶせ折りと中わり折りを繰り返して曲がりを表現しました。

しかし、フラミンゴの閉じた翼は思いのほか複雑な造形をしており、今ある領域でどうすればいいか悩みました。

結局、胴はシンプルに立体化することにしました。実際の翼の重なりは再現できていませんが、非常にすっきりしていて折り紙的にはなかなかいいと思います。

顔の造形も見直しました。

完成です!

水色線は立体化の際の折り線です。

首の曲げ具合や顔の造形はぐらい折りでも問題ありませんが、オリヒメできっちり折りたためると楽しいです。

比率は1 : 4+5√2です。